便秘対策は、キホンを知ることから
排便習慣には個人差が大きく,
「便秘」という言葉で意味する内容も様々です。
医学的に便秘とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
すなわち「便秘」とは、「排便回数や排便量が少ないために、便が大腸内に滞った状態」または「直腸内にある便を快適に排出できない状態」を表します。
しかし、排便回数が少ないからといって必ずしも「便秘」とは限りません。
なぜ便秘になるの?
食物の消化吸収は主に胃と小腸で行われ、水分もそのほとんどが小腸で吸収されます。そして栄養分を吸収された食物のカスが大腸に送られ、ぜん動運動によって、結腸、直腸に運ばれます。便が直腸に達した際にその刺激が脊髄を通して大脳に伝わり、便意がもよおされる仕組みになっています。
慢性的な便秘の場合、便意をがまんすることを繰り返していたために、直腸か大脳に伝わる刺激が弱くなったことが原因となることが少なくありません。
そのほか、過敏性大腸炎が原因となったり、食物繊維や水分の少ない食事が原因でなることもあります。また、旅行や環境の変化、ストレスなどが影響して起こる便秘もあります。ただし、ときには大腸や直腸のがん、腸の癒着などが原因でおこることもあります。便に血が混じったり、激しい腹痛が伴う便秘は、医師の診察を受けましょう。
便秘になる理由は、毎日の食事や生活環境、ライフスタイルが密接に関係しています。
便秘の主な原因
①食物繊維不足
戦後以降、食生活の変化により、食物繊維の摂取量は不足しています。
食物繊維は、便の量を増やしたり、大腸内の腸内細菌に利用され便秘予防や腸の働きを正常にしますが、不足すると便秘がちになります。
②ダイエット
過度に食事量を減少させると、便のもとが少なくなり、便が硬く、排出されにくくなります。
水分の摂取量が少ないと、便が硬くなり、スムーズに移動できないので、便秘になりやすくなります。
また便をやわらかくするためには水分を欠かせず、摂取する水分が少ないと便は硬くなります。特に夏は大量の汗をかいて水分が失われるため、体内の水分量が不足して、便秘が悪化する人が多いといわれています。
大腸は自律神経をコントロールする器官の一つですが、ストレスがたまることで自律神経のバランスが崩れて、大腸のぜん動運動が乱れ、便が排出されにくくなります。
運動をしないとカラダのリズムが乱れ、血流が悪くなり、腸のはたらきに悪影響を及ぼします。
また腹筋力が低下することで、排便するときの力が弱くなります。
ほかにも、こんな便秘の原因が!
生理黄体ホルモンの分泌が、
腸のはたらきを抑制。
ダイエット便の素となる食事が減ることで、
排便反射が低下。
便意をガマンする忙しさなどから我慢を続けると、
便意を感じにくく。
じつは、頑張る現代女性の誰もが、
便秘になる可能性があるのです。